意思決定分析と予測の活用:サポートページ

『意思決定分析と予測の活用 基礎理論からPython実装まで』のサポートページです。

この記事では、書籍の特徴などの紹介をしています。
本書に使用したサンプルデータと実装コードは、すべてGitHubから参照できるようにする予定です。

なお、書籍情報は2021年1月9日現在の内容です。出版されるまでに変更される可能性があります

 


意思決定分析と予測の活用 基礎理論からPython実装まで

 
2021年2月25日より順次発売予定。
 
 

 

目次

  1. 基本情報
  2. 書籍の特徴
    1. テーマ
    2. 対象読者
    3. 書籍の構成
    4. 本書に載っていないこと
  3. 本書のサポート情報

 

1.基本情報

出版社  : 講談社
著者   : 馬場真哉(このサイト、Logics of Blueの管理人です)
タイトル : 意思決定分析と予測の活用 基礎理論からPython実装まで
発売日  : 2021年2月25日より順次

簡易目次 :
第1部 序論
第2部 決定分析の基本
第3部 決定分析の活用
第4部 効用理論入門
第5部 確率予測とその活用

本体価格は3200円です(消費税10%で、税込み3520円となります)。

 

2.書籍の特徴

書籍の前書きなどを一部引用しつつ、本書の特徴を記します。
下記の内容はすべて2021年1月9日現在の内容です。出版されるまでに変更される可能性があります。

前書きから引用します。

本書は,決定分析(decision analysis)の入門書です。決定分析では,利得やリスクなど意思決定にかかわるさまざまな要素を整理することで,意思決定を支援します。本書では,主に以下の内容を解説します。

  1. 決定分析の基本手順と追加情報の活用方法
  2. 情報の量・情報の価値の概念
  3. 決定分析を用いた予測の価値評価
  4. 予測や検査情報が価値を生み出す条件
  5. 決定分析がおいている仮定
  6. 意思決定のしやすい予測を提供する技術

テーマ

決定分析

本書は決定分析の入門書です。決定分析は意思決定分析と呼ばれることもあります。
分野としてはオペレーションズ・リサーチ、経営工学、システム工学、決定科学が対象となります。
期待効用理論を中心とした意思決定理論の初歩も取り上げています。
事例を中心として気象予測の文献も参照しています。

決定分析は、意思決定理論における記述理論・規範理論に基づく処方的アプローチです。
平たく言えば「私たちが普段どのように行動しているか(記述理論)、そしてどのように行動すべきか(規範理論)、という意思決定理論における考察に基づいて、意思決定を支援するアプローチ」とみなせるかと思います。
本書では規範理論を中心とした意思決定理論の基礎を解説しつつ、具体的な手続きとしての決定分析を紹介します。

決定分析という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。
とはいえ、決定分析の要素技術は目にすることがしばしばあるかと思います。例えば決定木による意思決定問題の可視化や、期待値の最大化に基づく意思決定などは、決定分析の代表的な技術です。
個別の要素技術を使うだけではなく、決定分析を体系的に学ぶことで、その場しのぎの工夫や車輪の再発名を防げるようになるかもしれません。
これを機に、決定分析という分野に興味を持っていただければ幸いです。

 

予測の活用

タイトルにもある通り、本書のメインテーマは予測の活用です。
《予測を「作る」から「使う」へ》をキャッチコピーとしてもらっています。

予測を「使う」というところに目を向けることで、予測を改善する工夫を
1.予測を作るタイミング
2.予測を使うタイミング
の2つで行えることに気が付くはずです。

予測の精度はもちろん無視できない重要な指標です。
けれども、予測の精度を向上させること以外にも、さまざまな工夫ができるのだということを理解してもらえると、とても嬉しいです。

決定分析では、情報を活用した意思決定の手続きが提案されています。
本書では、情報として主に予測を使うことを想定したうえで、さまざまなシチュエーションにおいて、予測を活用した意思決定の手続きを紹介します。

 

情報の価値

天気予報は、スーパーコンピューターなどを使って大変複雑な計算をして作成されています。それでもなお完全に当たる予測を出すことは難しいものです。
しかし、複雑な技術を一切使わず、簡単に、絶対に当たる天気予報を作ることができます。
以下のように宣言すればよいのです。

「明日の天気は、雨が降るか、雨が降らないかのどちらかになるでしょう」

晴れの日も曇りの日もともに「雨が降らない日」だとみなせます。
上記の宣言をすると、論理的に、この天気予報が外れる余地がありません。
けれども、この宣言は、聞き手に対して何の価値も生み出しません。

絶対に当たる予測であっても価値を生みださないことがあります。
逆に、当たらない予測でも、価値を生みだす可能性があるはずです。
では、「価値」とは何でしょう。

決定分析においては、「価値」という言葉の哲学的な考えや個人の想いは対象とせず、あくまでも操作的な定義として、情報の価値を以下のように定めます。

  1. 情報を使うことで、行動が変わる
  2. 行動が変わることで、結果が変わる
  3. 変わる前と変わった後の結果の差異が、情報の価値

本書ではさまざまなシチュエーションにおいて、情報の価値を評価します。
主に、「情報を使わないとき」と「情報を使うとき」における期待金額の差異でもって予測の価値を評価します。
また、簡単な数理モデルを用いて、情報が価値を生みだす条件についての議論も展開します。
そのうえで、予測からなるべく多くの価値を生みだすための工夫に言及します。

 

Python実装

数式を補足する目的で、Pythonによる実装コードも併記しています。特別なライブラリは使わず、numpyやpandasを中心に使っています。
数式による形式的な定義、数値例、そしてPythonコードと、同じ内容を何度も繰り返し解説して、理解を深めていただく構成になっています。
情報の価値を、曖昧な概念のまま使うのではなく、明確に定義したうえで、実際に手を動かして計算していただければと思います。

 

対象読者

予測を活用して意思決定する方はもちろん、予測値を計算する立場の方にも役立つ知見を提供できると思います。具体的には、決定分析を用いた予測の価値評価や、決定分析の観点から予測の価値を向上させる工夫について解説します。
本書では、意思決定理論の基礎にも言及しています。リスク下や不確実性下における意思決定に興味がある方も読者として想定しています。

なお、本書は予測値の計算の仕方やPythonの基礎についてはほとんど解説していません。
データ分析や統計学、機械学習の入門書、あるいはPythonの入門書に目を通した、という方を読者として想定しています。

数学的なレベル感としては、高校理系卒業レベルを想定しています。
微積分や線形代数学の知識はほとんど必要としません。
論理と集合、そして確率論の初歩(条件付き確率など)の知識は少し必要となります。シグマ記号を使った計算はしばしば登場します。

本書は意思決定理論全般ではなく、決定分析という手続きを中心に扱っています。意思決定理論の記述理論に関しては、説明が少ないです。
人々が実際のところどのように行動しているか、あるいは行動経済学やその応用について興味がある方は、対象読者から少し離れます。

本書は、ビジネス書や教養書、啓蒙書というよりかは、理論に焦点を当てた技術書としての色が濃いです。この点は留意してください。
本書には、個人や組織の経験談や、意思決定の際の心構えなどは、ほとんど載っていません。
社会実装への即戦力的な技術がほしい方や、ビジネスの現場的なノウハウを知りたい方は、対象読者から少し離れます。
とはいえ、決定分析の理論をまったく知らない状況だと、車輪の再発名に時間をかけてしまうかもしれません。
本書の内容を理解することは、ゴールではなくスタートだと思います。本書のあとに、さまざまな応用分野に進んでいただければと思います。

 

書籍の構成

前書きと、第1部第1章1.9節の内容を引用しつつ、本書の構成を記します。

 

第1部 序論

第1部では、本書の方向性を述べます。意思決定・予測という用語、そしてこれらの用語の関係性の概略を、数式を使わずに解説します。また、本書が考える決定分析の役割も明記しました。

 

第2部 決定分析の基本

第2部では、本書を通じて登場する技法や用語を解説します。まずは第2部で決定分析の基礎固めをしてください。

第2部第1章では、決定分析の基本事項を解説します。意思決定問題といくつかの決定基準を導入します。
第2部第2章では、Pythonの基本事項を復習します。
第2部第3章では、Pythonを使って、第2部第1章の分析手続きを再現します。
第2部第4章では、期待値を最大にする意思決定の原理を導入します。
第2部第5章では、情報の量について解説します。情報エントロピーや相互情報量、相対エントロピーの解説を含みます。
第2部第6章では、情報の価値について解説します。条件付き期待値に基づく意思決定と、情報の価値評価の手順を解説します。

 

第3部 決定分析の活用

第3部では、決定分析のやや応用的な内容を扱います。

第3部第1章では、一貫性・品質・価値という3つの観点から予測を評価するアプローチを解説します。
第3部第2章では、コスト/ロスモデルを解説します。コスト/ロス比のシチュエーションを想定して、予測が価値を生み出す条件について議論します。
第3部第3章では、果樹園の霜問題と呼ばれる事例を対象にします。第3部第2章までで学んだ技術を実際に課題解決に活かす方法を解説します。
第3部第4章では、今までと異なり、予測ではなく検査情報を対象とします。そのうえで、検査情報を用いた意思決定の手続きと、検査情報の価値評価を行います。判断確率(主観確率)の概念やベイズ決定の手続きも解説します。
第3部第5章では、逐次決定問題と呼ばれる、意思決定を何度も繰り返す状況での決定の手続きを解説します。

 

第4部 効用理論入門

第4部では、意思決定理論の基礎を解説します。

第4部第1章では、サンクトペテルブルクのパラドックスを紹介し、期待金額を最大にする意思決定原理の限界について解説します。そのうえで、選好の効用関数表現を導入して、意思決定理論の数理的な基礎を解説します。
第4部第2章では、vNMの定理を通して、期待効用最大化原理について解説します。この中でリスク態度を扱います。リスク態度について学ぶと、期待金額を最大化するという意思決定原理の持つ制約が理解できるようになるはずです。

 

第5部 確率予測とその活用

第5部では、意思決定のしやすい予測を提供する技術として、確率予測について解説します。

第5部第1章では、確率予測の基本事項を整理したうえで、予測の品質の評価指標と価値評価の手続きを解説します。
第5部第2章では、データから予測値を計算し、予測値の品質と価値の評価を行います。また、確率予測から多くの価値を見出す工夫についても言及します。

 

本書に載っていないこと

本書では以下の内容を扱っていません。

  • グループとしての行動を決める方法
  • 多目的な意思決定
  • 最適化の数理
  • 強化学習法(プランニングの初歩は解説します)
  • 行動経済学とその活用

本書は、個人や同じ考えを持つ1つの組織における、単一目的の意思決定問題を対象とします。
アルゴリズムの解説は省き、意思決定問題を表現する技法の解説が中心となります。

 

3.本書のサポート情報

準備中

 
 
更新履歴
2021年01月09日:新規作成

 

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